子どものワクチン

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子どものワクチン

生後2ヶ月になったら1日も早くワクチンを


 
2025年は全国で百日咳が流行し、その中で亡くなってしまった子どもの90%以上が百日咳ワクチン未接種でした。
ヒブ(インフルエンザ桿菌b)や肺炎球菌の髄膜炎を赤ちゃんが発症すると多くは亡くなるか重い後遺症が残ってしまいます。
生後2ヶ月になったら1日も早くワクチンを接種してください。
 

当院の標準的な接種スケジュールは

※病院によっても推奨スケジュールが異なる場合があります
 

生後2ヶ月

5種混合ワクチン1回目(百日咳、破傷風、ジフテリア、ポリオ、インフルエンザ桿菌タイプb)
肺炎球菌ワクチン1回目(20価)
B型肝炎ワクチン1回目
ロタウイルスワクチン1回目(ロタリックスとロタテックの2種類あります。当院では通常ロタリックスを接種しています)

生後2ヶ月になったら1日も早くワクチンを接種してください
※生後2ヶ月の初めてのワクチンの時のみ、ワクチン接種時に動画等の撮影ができます。 撮影者がいない場合はスマホ用の三脚も用意しておりますのでスタッフまでお知らせ下さい。
 

生後3ヶ月(1回目から4週間以上あけて)

5種混合ワクチン2回目
肺炎球菌ワクチン2回目
B型肝炎ワクチン2回目
ロタウイルスワクチン2回目

 

生後4ヶ月(2回目から4週間以上あけて)

5種混合ワクチン3回目
肺炎球菌ワクチン3回目
ロタウイルスワクチン3回目(ロタリックスの場合は2回で終了、ロタテックの場合のみ3回目)

 

生後5ヶ月

BCG

※札幌市は各区の保健センターで集団接種
 

生後7ヶ月

B型肝炎ワクチン3回目

※1回目から20週以上あけて、1歳までに
※1歳過ぎると自費での接種になってしまいます。
 

1歳

麻しん風しん混合ワクチン1期(MRワクチン)
おたふくかぜワクチン1回目
水ぼうそうワクチン1回目
5種混合ワクチン追加
肺炎球菌ワクチン追加

 

1歳半

水ぼうそうワクチン2回目

※1回目から3ヶ月以上あけて
 

5〜6歳(学校に入る前の1年間)

麻しん風しん混合ワクチン2回目
おたふくかぜワクチン2回目(任意接種)
3種混合ワクチン(任意接種)
不活化ポリオワクチン(任意接種)

多くの国では4歳以降で不活化ポリオワクチンと3種混合ワクチンを接種しています。日本でも接種を推奨していますが、現在は任意接種(自費)の状態です。 2025年は全国的に百日咳が流行してワクチン接種前の赤ちゃんが亡くなっています。就学前に追加接種できると安心です。

 

9歳

日本脳炎ワクチン2期
※9歳から12歳の間で接種します。
 

11〜12歳

2種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風)※当院では3種混合ワクチンを推奨
9価HPVワクチン
  • 定期接種は2種混合ですが、百日咳が含まれていないため、小児科学会等からは3種混合ワクチン(自費)の接種が推奨されています。
  • HPVワクチンは男性、女性ともに必要なワクチンです。当院では小学6年生での接種を推奨しています。 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
 

日本脳炎ワクチンは生後6ヶ月以降、追加接種は7歳半まで

 

日本脳炎ワクチン(初回接種して1〜4週間で2回目、1年後に追加接種)

標準接種は3歳ですが、道外に4月から10月などの蚊が飛んでいる時期に帰省するなどで行く場合は、生後6ヶ月以降であれば定期接種として接種が可能です。
 
※日本脳炎ウイルスは豚から蚊、蚊から人へ感染します。 北海道の豚からも日本脳炎ウイルスは検出されていますが、間に入るコガタアカイエカが北海道にはいないため、道外やアジア諸国に行く機会がなければ3歳からの接種で大丈夫です。
 
※日本では昭和51(1976)年から日本脳炎ワクチンが定期接種となりました。しかし、北海道では日本脳炎の発生がほとんどなかったことから、定期接種が開始されたのは平成28(2016)年4月1日でした。そのため、現在の北海道出身の成人のほとんどは、日本脳炎ワクチンを接種していません。 子どもと一緒に4月から10月頃に道外に行くときは、お父さん、お母さんが北海道出身者の場合はご自身の接種歴も確認して、もし日本脳炎ワクチンを接種していない場合は子どもと一緒に接種してください。
 


当院で接種可能なワクチン一覧、及び価格表はこちらからLinkIconワクチン一覧表.pdf

破傷風菌は世界中の土やほこり、動物の便などに存在し、けがをした部分から体内に入ります。深い刺し傷だけでなく、転倒による擦り傷、やけど、動物による咬み傷など、本人が気づかないほど小さな傷から感染することもあります。人から人へうつる病気ではありません。
 
体内に入った菌がつくる毒素によって、口が開きにくい、首や背中が硬くなる、全身の筋肉が激しくけいれんするといった症状が起こります。呼吸をする筋肉がけいれんすると人工呼吸管理が必要になり、現在の医療でも命にかかわります。
日本では1952年から破傷風トキソイドが使用され、1964年にDPT三種混合ワクチンが導入、1968年から定期接種となりました。1950年には1,915人が発症し、1,558人が死亡していました。死亡した人の半数以上は15歳未満の子どもでしたが、ワクチンの普及後、接種を受けた世代の発症はほとんどみられなくなりました。
 
現在も国内で年間100人前後の患者が報告されることがありますが、その多くは、子どもの頃に定期接種を受ける機会がなかった高齢者です。また、破傷風は一度かかっても十分な免疫がつかないため、病気になった人にもワクチンが必要です。けがをする場所や時期を予測することはできないため、接種によってあらかじめ免疫をつけ、成長後も追加接種で維持することが大切です。
 
ワクチンを接種していれば多くの場合は発症が防げる病気です。 生後2ヶ月から5種混合ワクチンを接種することが大切です。

ジフテリア菌は、感染した人のせきやくしゃみのしぶき、唾液、皮膚の病変との接触などを介して感染します。のどや鼻で菌が増えると、のどに白から灰色の厚い膜ができ、空気の通り道をふさいで呼吸困難を起こすことがあります。
さらに、菌がつくる毒素が血液を通じて全身に広がり、心筋炎、不整脈、神経麻痺などを起こします。抗菌薬で菌を減らすことはできますが、すでに体内に広がった毒素の作用を抗菌薬だけで止めることはできません。適切に治療しても致命率は5~10%とされる重い病気です。
 
日本では1948年から予防接種法に基づく接種が始まり、1968年からDPT三種混合ワクチンとして広く定期接種が行われるようになりました。1945年には約8万6,000人が発症し、その約1割が死亡していましたが、ワクチンの普及によって患者は激減し、現在の日本では極めてまれな病気となりました。
 
しかし、病原菌が世界からなくなったわけではありません。旧ソ連地域では社会情勢の変化により接種率が低下した結果、1990~1995年に約12万5,000人が発症し、4,000人以上が死亡する大流行が起こりました。「患者を見なくなったからワクチンが不要」なのではなく、接種が続けられているからこそ患者が少ない病気です。
 
ワクチンを接種していれば多くの場合は発症が防げる病気です。 生後2ヶ月から5種混合ワクチンを接種することが大切です。

百日咳菌は、せきやくしゃみのしぶきを介して感染します。初めは鼻水や軽いせきなど、普通のかぜと区別しにくい症状ですが、次第に激しいせきが連続して起こるようになります。せきは数週間から数か月続くことがあります。
 
特に危険なのは、まだ十分な回数のワクチンを受けていない生後早期の赤ちゃんです。赤ちゃんでは典型的な激しいせきが目立たず、突然呼吸が止まる無呼吸、チアノーゼ、肺炎、けいれん、脳症などで発見されることがあります。
 
日本では1950年から百日せきワクチンが予防接種法に位置づけられ、1968年からDPT三種混合ワクチンとして定期接種が広く行われました。導入前には年間10万人以上が発症し、その約10%が死亡していましたが、1971年には報告数が206人まで減少しました。
 
一方、ワクチンや自然感染で得られた百日せきの免疫は、時間とともに低下します。そのため、現在は学童、成人、保護者などが気づかないまま感染し、家庭内で赤ちゃんにうつすことがあります。百日せきワクチンは、接種した子ども自身を守るだけでなく、最も重症化しやすい赤ちゃんを周囲の感染から守る意味もあります。
 
2025年は日本でも大規模な流行となり、ワクチンを接種する前の子どもが何人も亡くなっています。 多くの国では4〜6歳、10歳以上で百日咳ワクチンが入った3種混合ワクチンや4種混合ワクチンを追加接種しますが、日本は1歳の5種混合ワクチン追加接種で終了となっております。 日本小児科学会やVPDの会では就学前の追加接種と、小学6年生頃に接種する2種混合を3種混合で接種することを推奨しています。
 
生後2ヶ月になったら1日も早く5種混合ワクチンを接種してください。

Hibは「ヘモフィルスインフルエンザ菌b型」という細菌です。名前にインフルエンザと入っていますが、冬に流行するインフルエンザウイルスとは別の病原体です。せきやくしゃみのしぶき、唾液などを介して感染し、健康な子どもの鼻やのどに症状なく存在することもあります。
 
Hibが血液の中に入り込むと、細菌性髄膜炎、敗血症、喉頭蓋炎、肺炎、関節炎などの重い感染症を起こします。髄膜炎では、発熱やけいれん、意識障害が起こり、急速に重症化することがあります。治療が遅れると死亡することがあり、助かっても難聴、てんかん、発達の遅れなどの後遺症を残すことがあります。
 
日本では2008年にワクチンの接種が始まり、2010年から公費助成、2013年4月から定期接種となりました。導入前には5歳未満人口10万人当たり年間6~9人程度のHib髄膜炎が発生し、全国では年間数百人の子どもが髄膜炎になっていたと推計されています。
 
公費助成後から患者は急速に減少し、定期接種化翌年の2014年には、調査地域でHibによる髄膜炎が確認されなくなりました。発症してから早く治療することも重要ですが、Hib感染症は進行が速く、抗菌薬治療だけでは死亡や後遺症を完全に防げません。発症そのものをワクチンで防ぐことに大きな意味があります。
 
生後2ヶ月になったら1日も早く5種混合ワクチンを接種してください。

B型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染します。出産時の母子感染のほか、家族内での濃厚な接触、傷口、性行為、十分に衛生管理されていない医療行為や器具なども感染の原因になります。
 
感染すると急性肝炎を起こすことがありますが、症状がなく感染に気づかないこともあります。特に乳幼児期の感染は慢性化しやすく、出生時に感染すると約90%が持続感染するとされています。長期間ウイルスが体内に残ると、何十年も経過してから慢性肝炎、肝硬変、肝がんを発症することがあります。
 
日本では1986年に母子感染防止事業が始まり、感染している母親から生まれた赤ちゃんへの免疫グロブリンとワクチンの投与によって、母子感染によるキャリアの発生は約10分の1に減少しました。しかし、母親が感染していなくても、父親、きょうだい、周囲の人などから感染する可能性があります。このため、2016年10月からすべての0歳児を対象とした定期接種が始まりました。
 
B型肝炎ワクチンは、子どもの時期の肝炎だけでなく、数十年後の肝硬変や肝がんを予防する「がん予防ワクチン」でもあります。世界では乳児への定期接種によって、子どものB型肝炎ウイルス持続感染が大きく減少しています。

ロタウイルスは、感染者の便に含まれるウイルスが、手、衣類、おもちゃ、ドアノブなどを介して口に入ることで感染します。わずかな量のウイルスでも感染し、環境中でも比較的長く生きるため、手洗いや消毒だけで家庭内・保育施設内の感染を完全に防ぐことは困難です。
 
感染すると、突然の嘔吐、水のような下痢、発熱が起こります。乳幼児では短時間で脱水が進み、点滴や入院が必要になることがあります。けいれん、脳炎・脳症、腎不全などを合併し、まれに死亡することもあります。特に初めて感染したときに重症になりやすい病気です。
 
ワクチン導入前は、ほぼすべての子どもが5歳までに感染していました。日本では年間約80万人が受診し、2万~8万人が入院すると推計され、5歳未満の急性胃腸炎による入院の40~50%をロタウイルスが占めていました。
 
世界でも、かつてはロタウイルス胃腸炎により毎年50万人前後の乳幼児が死亡していましたが、ワクチンの普及と治療環境の改善によって大きく減少しました。
 
日本では2011年からワクチンの接種が始まり、2020年10月から定期接種となりました。ワクチンはすべての感染や軽い下痢を完全に防ぐものではありませんが、脱水を伴う重症胃腸炎や入院を大きく減らします。感染力が非常に強く、衛生対策だけでは防ぎにくいからこそ、流行する前の乳児期早期に接種を完了することが重要です。
 

麻しんウイルスは空気感染するため、同じ部屋にいただけでも感染することがあります。感染力は極めて強く、免疫を持たない人が接触すると、ほとんどが感染するといわれます。手洗いやマスクだけで完全に防ぐことはできません。
 
発熱、せき、鼻水、目の充血から始まり、その後、39~40℃の高熱と全身の発疹が現れます。いったん熱が下がりかけてから再び高熱になることもあり、一般的な「子どもの発疹症」より全身への負担が大きい病気です。肺炎や中耳炎を合併しやすく、約1,000人に1人が脳炎を起こすとされ、先進国でも死亡することがあります。
 
さらに、麻しんから回復した数年後に、脳が徐々に障害される亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を発症することがあります。SSPEには確実な治療法がなく、進行すると重い神経障害を起こします。
 
日本では1966年にワクチン接種が始まり、1978年から定期接種、2006年からMRワクチンによる2回接種となりました。以前は国内でも毎年大きな流行があり、多くの子どもが入院・死亡していましたが、患者は大幅に減少し、2015年にはWHOから麻しん排除状態と認定されました。
 
しかし、世界では現在も流行が続いており、海外からウイルスが持ち込まれることがあります。ワクチン導入前には世界で年間約260万人が死亡していましたが、2000~2023年にはワクチンによって6,000万人以上の死亡が防がれたと推計されています。

風しんウイルスは、せきやくしゃみのしぶきや接触によって感染します。発疹が出る約1週間前から周囲にうつす可能性があり、症状が出ない感染者もいるため、本人が気づかないまま感染を広げることがあります。
 
子どもでは発熱、発疹、首のリンパ節の腫れなどがみられ、比較的軽く治ることもあります。しかし、2,000~5,000人に1人程度に脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症が起こります。成人では高熱、発疹、強い関節痛が長く続き、仕事や日常生活に大きな影響を与えることがあります。
 
最も重要なのは、妊娠初期の女性が感染すると、おなかの赤ちゃんに感染する可能性があることです。難聴、白内障、心疾患、発達の遅れなどを伴う先天性風しん症候群の原因になります。妊娠中は風しんワクチンを接種できないため、妊娠前の女性だけでなく、感染源となり得る男性や子どもも免疫を持つことが重要です。
 
日本では1977年に女子中学生を対象とした定期接種が始まり、1995年から乳幼児の男女に拡大、2006年からMRワクチンによる2回接種となりました。小児の患者は大きく減少しましたが、過去に接種機会が十分でなかった成人男性を中心に、2012~2013年や2018~2019年に流行が起こり、先天性風しん症候群も報告されました。
 
風しんワクチンは、接種した本人だけでなく、ワクチンを接種できない妊婦と、これから生まれてくる赤ちゃんを守るためのワクチンでもあります。

おたふくかぜはムンプスウイルスによる感染症で、唾液やせき・くしゃみのしぶきを介して感染します。耳の下の腫れが現れる前からウイルスを排出し、感染しても約3割は明らかな症状が出ないため、症状のある人を休ませるだけでは流行を完全に防げません。
 
主な症状は耳下腺や顎下腺の腫れと痛み、発熱です。一般には軽い病気と思われがちですが、無菌性髄膜炎、脳炎、膵炎、精巣炎、卵巣炎などを起こすことがあります。無菌性髄膜炎は1~10%、脳炎は0.02~0.3%程度にみられるとされます。
 
特に問題となるのがムンプス難聴です。突然、片方または両方の耳が聞こえなくなり、現在の治療では聴力が十分に戻らないことがあります。頻度は患者の0.1~0.25%程度とされ、決して無視できない合併症です。
 
2026年5月には新しいMMRワクチンが承認され、2026年7月現在、定期接種化に向けた審議が進められています。

水痘・帯状疱疹ウイルスが、空気感染、飛沫感染、発疹との接触によって広がります。感染力が強く、発疹が出る1~2日前から周囲にうつす可能性があります。
 
発熱と全身の水ぶくれが主な症状ですが、発疹の数は数百個に及ぶことがあります。かき壊した部分から細菌が入って重い皮膚感染症を起こすほか、肺炎、脳炎、小脳失調、血小板減少などを合併することがあります。健康な子どもでも入院や死亡に至ることがあり、妊婦、新生児、免疫機能が低下した人では特に重症化します。
治った後もウイルスは神経の中に生涯残り、加齢や体調の変化などで再び活動すると帯状疱疹を発症します。水ぼうそうは、治れば完全に体から消えるウイルス感染症ではありません。
 
水痘ワクチンは日本で開発され、1987年から1歳以上の子どもに接種できるようになりました。2014年10月から2回接種が定期接種となっています。定期接種化前には、国内で年間約100万人が受診し、小児科定点から年間約20万人が報告されていましたが、導入後は特に乳幼児の患者と入院例が大きく減少しました。
 
ワクチン接種後にも軽い水ぼうそうを発症することはありますが、発疹の数や発熱が少なく、重症化する危険も大きく下がります。「多くの子がかかる病気だから自然にかかった方がよい」のではなく、重症化と将来の帯状疱疹につながる自然感染を、できるだけ避けることが大切です。

日本脳炎ウイルスは、主にブタなどの体内で増え、その血を吸った蚊が人を刺すことで感染します。人から人へ直接うつることはありません。北海道を含め、日本脳炎患者がほとんど報告されない地域でも、国内移動や海外渡航によって感染地域に行く可能性があります。
 
感染しても多くは無症状ですが、発症すると突然の高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれん、手足の麻痺などが現れます。発症するのは感染者の数百人から1,000人に1人程度とされますが、いったん脳炎を発症すると約20~30%が死亡し、助かっても30~50%に運動障害、けいれん、認知・行動面の障害などが残ります。有効な抗ウイルス薬はなく、治療は全身状態を支える治療が中心です。
 
日本では1954年からワクチンの接種が始まり、1967年から定期接種として広く行われるようになりました。かつては年間数千人が発症し、多くの人が死亡していましたが、ワクチンの普及、生活環境や養豚環境の変化などにより、現在の国内患者数は年間数人程度となっています。
ただし、ウイルスは国内の蚊やブタの間で現在も循環しており、病原体が日本からなくなったわけではありません。特に、西日本では多くの豚から現在も日本脳炎ウイルスの抗体が検出されており、危険な状態は何も変わっていません。 発症後に病気の進行を止める治療がないため、発症する前にワクチンで免疫をつけておくことが最も有効な予防方法です。世界では現在も年間約6万8,000人が発症し、約1万3,600~2万400人が死亡すると推計されています。
 
標準接種は3歳ですが、道外に4月から10月などの蚊が飛んでいる時期に帰省するなどで行く場合は、生後6ヶ月以降であれば定期接種として接種が可能です。
 
※日本脳炎ウイルスは豚から蚊、蚊から人へ感染します。 北海道の豚からも日本脳炎ウイルスは検出されていますが、間に入るコガタアカイエカが北海道にはいないため、道外やアジア諸国に行く機会がなければ3歳からの接種で大丈夫です。
 
※日本では昭和51(1976)年から日本脳炎ワクチンが定期接種となりました。しかし、北海道では日本脳炎の発生がほとんどなかったことから、定期接種が開始されたのは平成28(2016)年4月1日でした。そのため、現在の北海道出身の成人のほとんどは、日本脳炎ワクチンを接種していません。 子どもと一緒に4月から10月頃に道外に行くときは、お父さん、お母さんが北海道出身者の場合はご自身の接種歴も確認して、もし日本脳炎ワクチンを接種していない場合は子どもと一緒に接種してください。
 
 

HPV(ヒトパピローマウイルス)は、主に性的な接触によって皮膚や粘膜から感染します。性交渉の経験がある人の多くが生涯に一度は感染するとされる、ごくありふれたウイルスです。コンドームによって感染リスクを下げることはできますが、覆われていない皮膚からも感染するため、完全には防げません。
 
多くの感染は自然に消えますが、一部は長期間体内に残ります。持続感染が数年から十数年続くと、子宮頸部の細胞が前がん病変を経て、子宮頸がんへ進行することがあります。HPVは、子宮頸がんだけでなく、中咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、外陰がん、腟がん、尖圭コンジローマなど、男女双方の病気の原因になります。 肛門癌、子宮頚がん、尖圭コンジローマなどは原因の90%以上がHPVによるものです。
 
日本では2009年にHPVワクチンが承認され、2010年から公費助成、2013年4月から女子の定期接種となり、2023年4月から9価ワクチンも定期接種に加わりました。
 
日本では現在も年間約1万1,000人が子宮頸がんを発症し、約3,000人が死亡しています。20歳代から患者が増え始め、妊娠や子育ての時期に子宮摘出などの治療が必要になることもあります。
 
HPVワクチンを早期に導入し、高い接種率を維持した国では、男性の接種率も80%を超える国が多くなってきており、HPVによる癌や尖圭コンジローマの発生数もかなり減ってきています。
子宮頚がんは定期接種の年代で接種すると90%以上以上子宮頚がんの発生を予防できているデータもでてきています。
 
定期接種は小学6年生から高校1年生までですが、15歳未満は2回接種を選ぶことができます。(15歳以上は必ず3回接種となります)
当院では小学6年生での接種を推奨しております。
 
ワクチンはすでに感染したウイルスを治療するものではないため、感染機会を持つ前の接種が最も効果的です。ワクチンと成人後の子宮頸がん検診を組み合わせることで、子宮頸がんをさらに確実に予防できます

VPDの会や日本小児科学会の推奨するスケジュール


診療時間

学会、講義などにより休診とさせていただく場合がありますので、診療カレンダー・お電話にてご確認いただくことをお勧めします。(日祝、月曜は休診となります)

診療時間
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10:00〜13:00 - - -
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