海外へ渡航される目的や渡航先、滞在期間によって、必要となるワクチンや感染症対策は大きく異なります。
また、過去の予防接種歴によって接種が必要なワクチンも変わるため、当院では事前にメールで情報を確認し、一人ひとりに合わせた接種スケジュールをご提案しております。
ご予約までの流れ
① まずはお電話ください
「トラベルワクチン希望」とお伝えください。
受診の流れをご説明し、フォーム入力用のパスワードをお知らせいたします。
⬇
② フォームをご入力ください
氏名、渡航先、渡航目的(留学・海外赴任・出張・旅行など)、渡航予定日などをご入力ください。
⬇
③ 接種記録・渡航資料をメールでお送りください
フォーム送信後、自動返信メールが届きます。
そのメールに返信する形で、次の資料を添付してください。
- 母子手帳や予防接種済証など、接種歴が確認できるもの
- 渡航先や学校・勤務先から案内されたワクチンに関する資料
- ワクチン接種歴の記入が必要な書類(Medical Form など)
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④ 医師が内容を確認し、ご提案いたします
お送りいただいた資料を医師が確認し、
- 必要なワクチン
- 接種の優先順位
- 最適な接種スケジュール
をご提案いたします。
内容をご確認いただき、ご希望が決まりましたら、お電話で接種日時をご予約ください。
メールでの事前確認をお願いしている理由
「メールでのやり取りをせずに、希望したワクチンだけ接種したい」とご希望される方もいらっしゃいます。
しかし、実際には半数以上の方で、メールによる事前確認後に接種するワクチンや接種スケジュールが変更になります。
これは、
- 接種歴を確認すると必要なワクチン、又は不要なワクチンが分かる
- 渡航先や滞在地域によって推奨ワクチンが変わる
- 出発までの日数に合わせて優先順位を決める必要がある
- 学校や勤務先ごとの提出条件を確認する必要がある
など、一人ひとり状況が異なるためです。
また、渡航後にワクチンや現地での感染症についてご不明な点が生じた場合も、同じメールアドレスへご連絡いただければ、継続してご相談いただくことができます。
安全で無駄のない予防接種をご提案するため、ご不便をお掛けいたしますが、事前のメールでのやり取りにご協力をお願いいたします。
ワクチンの種類
エイムゲン(国内承認ワクチン)
| 特徴:国内承認ワクチンだが、輸入ワクチンと比べると抗原量が少ないため、効果は5〜10年程度となります。 |
|---|
| 長期での赴任の場合は、現地で3回目を接種できるのは大使館関係者のみのため、それ以外の場合は一時帰国時に接種するか、最初から輸入ワクチンの接種となります。 |
| 接種年齢:1歳以上 |
| 接種回数:3回(急速接種は4回) |
| 接種スケジュール:初回接種後4週間で2回目、初回接種後6ヶ月以上あけて3回目 |
| 急速接種スケジュール:初回接種後1週間で2回目、初回接種後3週間で3回目、初回接種後1年で4回目 |
| 接種費用:1回16,500円(税込) |
Avaxim160(成人用)Avaxim80(小児用)(輸入ワクチン)
| 特徴:輸入ワクチン、成人用はエイムゲンより抗原量が多く、1回接種で2〜3年の効果があり、初回接種から半年以上あけて2回目を接種すると20年程度の効果となります。 |
|---|
| 海外赴任、留学など長期で海外に行く場合は2回目を現地で接種することも可能です。 |
| 接種年齢:小児用1歳以上15歳以下、成人用16歳以上 |
| 接種回数:2回 |
| 接種スケジュール:初回接種後6ヶ月以上あけて2回目 |
| 接種費用:1回16,500円(税込) |
Twinrix(AB型肝炎混合ワクチン)(輸入ワクチン)
| 特徴:輸入ワクチン、B型肝炎の抗原量が通常日本で接種しているワクチンより多いため、成人でも多くの人で免疫ができます。 |
|---|
| 海外赴任、留学等長期で海外に行く場合は、2回目や3回目を現地で接種することが可能です。 |
| A型肝炎、B型肝炎両方必要な18歳以上の場合に推奨されます。 |
| 接種年齢:18歳以上 |
| 接種回数:3回(急速接種は4回) |
| 接種スケジュール:初回接種後4週間で2回目、初回接種後6ヶ月以上あけて3回目 |
| 急速接種スケジュール:初回接種後1週間で2回目、初回接種後3週間で3回目、初回接種後1年で4回目 |
| 接種費用:1回16,500円(税込) |
A型肝炎とB型肝炎は名前は似ていますが、感染経路や予防方法が異なる病気です
A型肝炎とB型肝炎はどちらも肝臓に炎症を起こすウイルス感染症ですが、感染する経路や病気の特徴は大きく異なります。
海外では日本より感染リスクが高い地域も多く、海外旅行や留学、海外赴任では渡航先によってワクチン接種が推奨されます。
A型肝炎とは
A型肝炎は、汚染された飲食物や水から感染する病気です。
加熱が十分ではない魚介類や野菜、氷、生水などから感染することがあり、衛生環境が十分ではない国では感染リスクが高くなります。
世界では毎年約140万人が発症しており、渡航者が感染する代表的な感染症の一つです。
通常は慢性化することはありませんが、高齢者では重症化し、劇症肝炎を起こすことがあります。
このような方に接種をおすすめします
- 発展途上国へ旅行・留学・赴任される方
- 長期滞在を予定している方
- 現地の飲食店や屋台を利用する予定がある方
- ボランティア活動などで現地住民と接する機会が多い方
https://www.cdc.gov/yellow-book/hcp/travel-associated-infections-diseases/hepatitis-a.html?utm_source=chatgpt.com
この地図では、何歳までにA型肝炎に多くの人が感染するかを示した図です。 年齢が低い時に多くの人が感染する地域ほど感染リスクが高い地域となります。
ワクチンの種類
ビームゲン・ヘプタバックス(国内承認)
| 特徴:国内承認ワクチン、幼少期に接種すると多くの人で免疫ができますが、成人になってから接種すると毎年のようにワクチンを接種しても免疫ができない人が増えてきます。 |
|---|
| 接種年齢:0歳〜 |
| 接種回数:3回(急速接種は4回) |
| 接種スケジュール:初回接種後4週間で2回目、初回接種後20週以上あけて3回目(国によっては初回接種後6ヶ月以上と言われることがあるため、成人の方は6ヶ月あけることを推奨しております) |
| 急速接種スケジュール:初回接種後1週間で2回目、初回接種後3週間で3回目、初回接種後1年で4回目 |
| 接種費用:1回7,700円(税込) |
Engerix B 1.0mL(輸入ワクチン)
| 特徴:国によって1.0mLの年齢が異なりますが、国内承認ワクチンより抗原量が多いため、国内承認ワクチンで免疫ができないような成人でも多くの人で免疫ができるようになります。 |
|---|
| 接種年齢:国によって異なりますが、最少年齢11歳〜 |
| 接種回数:11歳以上15歳未満は2回、15歳以上は3回(急速接種の場合は4回) |
| 接種スケジュール:2回接種の場合は初回接種後6ヶ月で2回目。 3回接種の場合は初回接種後4週間で2回目、初回接種後6ヶ月以上あけて3回目 |
| 急速接種スケジュール:初回接種後1週間で2回目、初回接種後3週間で3回目、初回接種後1年で4回目 |
| 接種費用:1回11,000円(税込) |
Twinrix(AB型肝炎混合ワクチン)(輸入ワクチン)
| 特徴:輸入ワクチン、B型肝炎の抗原量が通常日本で接種しているワクチンより多いため、成人でも多くの人で免疫ができます。 |
|---|
| 海外赴任、留学等長期で海外に行く場合は、2回目や3回目を現地で接種することが可能です。 |
| A型肝炎、B型肝炎両方必要な18歳以上の場合に推奨されます。 |
| 接種年齢:18歳以上 |
| 接種回数:3回(急速接種は4回) |
| 接種スケジュール:初回接種後4週間で2回目、初回接種後6ヶ月以上あけて3回目 |
| 急速接種スケジュール:初回接種後1週間で2回目、初回接種後3週間で3回目、初回接種後1年で4回目 |
| 接種費用:1回16,500円(税込) |
A型肝炎とB型肝炎は名前は似ていますが、感染経路や予防方法が異なる病気です
A型肝炎とB型肝炎はどちらも肝臓に炎症を起こすウイルス感染症ですが、感染する経路や病気の特徴は大きく異なります。
海外では日本より感染リスクが高い地域も多く、海外旅行や留学、海外赴任では渡航先によってワクチン接種が推奨されます。
B型肝炎とは
B型肝炎は、感染者の血液や体液を介して感染する病気です。
海外では医療行為だけではなく、歯科治療、性交渉、入れ墨(タトゥー)、ピアスなどでも感染することがあります。
世界では約20億人が感染したことがあり、現在でも約3億5,000万人が慢性的に感染しているとされています。
慢性肝炎、肝硬変、肝がんの原因となることがあり、世界的にも非常に重要な感染症です。
このような方に接種をおすすめします
- 海外留学・海外赴任を予定している方
- 長期間海外に滞在される方
- 現地で医療機関を受診する可能性がある方
- 医療従事者
- 海外でボランティア活動をされる方
- 現地の方と接する機会が多い方
ワクチンの種類
タイフィム・ブイアイ(Typhim Vi)(国内承認)
| 接種年齢:2歳以上 |
|---|
| 有効期間:2〜3年(米国は2年、WHOは3年と記載) |
| 接種費用:11,000円(税込) |
Typbar TCV(輸入ワクチン)
| 接種年齢:生後6ヶ月以上、65歳以下 |
|---|
| 有効期間:5年 |
| 接種費用:11,000円(税込) |
腸チフスとは
腸チフスはSalmonella Typhiという細菌によって起こる感染症です。
感染者の便で汚染された飲み水や氷、生野菜、生肉、加熱不十分な食品などを口にすることで感染します。
世界では毎年
- 約920万人が発症
- 約13万人が死亡
すると推定されています。
特に、東南アジアなどでは、「日本人の発熱を診たら腸チフスを疑え」と言われており、日本人だけワクチンが未接種の状態で流行地域に行く事が多く、毎年のように論文が書かれてしまっています。
A型肝炎と腸チフスは経口感染(食べ物や飲み物からの感染)が多く、流行地域も重なる事が多いため、流行地域に行く場合はどちらも必ず接種することを推奨しています。
主な症状
感染してから約1〜3週間後に
- 高熱(39〜40℃)
- 頭痛
- 倦怠感
- 腹痛
- 下痢または便秘
などが出現します。
重症になると
- 腸出血
- 腸穿孔
- 敗血症
など命に関わる合併症を起こすことがあります。
どこの国で注意が必要?
腸チフスは衛生環境が十分でない地域で多くみられます。
特に注意が必要な地域
- 🇮🇳 インド
- 🇵🇰 パキスタン
- 🇧🇩 バングラデシュ
- 🇳🇵 ネパール
- 🇦🇫 アフガニスタン
また、
- 東南アジア
- アフリカ
腸チフス・パラチフスの流行地域
(人口10万人あたりの発生数)
GBD2017 Typhoid and Paratyphoid Collaborators: The global burden of typhoid and paratyhoid fevers: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet infect Dis 19:369-381,2019を参考に作成
予防方法
ワクチンだけでは100%予防できません。
そのため
- 生水は飲まない
- 氷は避ける
- 十分に加熱された料理を食べる
- 生野菜・カットフルーツに注意する
- 手洗いを徹底する
ことも重要です。
ワクチンの種類
| 破傷風トキソイド(国内承認ワクチン) |
|---|
| 接種回数:1968年以前に生まれた方や、今まで一度も接種をしたことがない場合は3回接種、1968年以降に生まれた方で定期接種の予防接種を受けていても10年以内に接種が無い場合は1回接種 |
| 接種スケジュール:3回接種の場合は初回接種後3〜8週間で2回目、2回目から半年以上あけて3回目の接種、その後は10年毎に追加接種できると安心です。 |
| その後は10年毎の追加接種が推奨されています。 |
| 接種費用:1回5,500円(税込) |
| ※怪我をした際の治療で接種する場合は保険適用となります。 |
破傷風とは
破傷風は、土や砂、ほこりの中に存在する「破傷風菌(Clostridium tetani)」が傷口から体内に入り、神経に作用する毒素を作ることで発症する重い感染症です。
人から人へ感染することはありません。発症すると集中治療室(ICU)での治療が必要になることもあり、現在でも命に関わる病気です。
どのような時に感染するの?
破傷風菌は土壌や動物の糞便が混じる環境に広く存在しています。
感染の原因となる傷の例
- 釘を踏んだ
- 庭仕事や農作業中のけが
- 転倒による擦り傷
- 犬や猫など動物による咬傷
- 木片や金属片が刺さった傷
- 災害時の外傷
特に深い傷や汚れた傷でリスクが高くなりますが、軽い擦り傷や本人が気付かないほどの小さな傷から発症することもあります。患者の約3割では明らかな受傷歴が確認できないこともあります。
潜伏期間
感染してから症状が出るまでの期間は
通常3~21日(平均約8日)
です。
多くは2週間以内に発症します。
一般に潜伏期間が短いほど重症化しやすく、死亡率も高くなることが知られています。
どんな症状が出るの?
最初は
- 口が開きにくい
- あごがつっぱる
- 首や肩がこる
- 飲み込みにくい
などの症状から始まります。
その後、
- 全身の筋肉が硬くなる
- 強い筋肉のけいれん
- 背中が弓なりに反る
- 呼吸が苦しくなる
- 血圧や脈拍が大きく変動する
などの症状が現れます。
大きな音や光、体に触れられる刺激だけで全身のけいれんが誘発されることもあります。
治療法
治療には
- 傷の洗浄・処置
- 破傷風免疫グロブリン(TIG)
- 抗菌薬
- 筋弛緩薬や鎮静薬
- 人工呼吸管理
などが必要になります。
発症すると数週間から数か月に及ぶ入院治療が必要になることもあります。
致死率は?
ワクチンや集中治療が発達した現在でも、
破傷風患者のおよそ10人に1人が死亡するとされています。
特に
- 高齢者
- ワクチン未接種者
- 潜伏期間が短い重症例
では死亡率が高くなります。
予防するには?
破傷風は発症すると重症化しやすい一方、
ワクチンで予防できる病気です。
日本では小児期の定期接種で破傷風ワクチンを接種していますが、免疫は徐々に低下します。
そのため成人では
10年ごとの追加接種(ブースター接種)
が推奨されています。
また、海外では百日咳予防も兼ねた
Tdap(破傷風・ジフテリア・百日咳混合ワクチン)
の接種が広く行われています。
屋外で怪我をしたり、動物に噛まれた時などで破傷風の感染リスクが高い時は、5年以内に破傷風トキソイドの接種がなければできるだけ早期に曝露後予防として接種を受けて下さい
ワクチンの種類
トリビック(国内承認ワクチン:DTaP)
| 特徴:日本や海外でも生後2ヶ月から接種する主に小児用のワクチンとなります。(日本では成人でも使用しています) |
|---|
| 費用:1回 8,800円(税込) |
Boostrix(輸入ワクチン:Tdap又はdTap)
| 特徴:海外では通常10歳以上で接種しており、アメリカでは近年7歳以上は小児用のDTaPではなくTdapワクチンを使用しております。 特に海外留学の際は10年以内にTdapワクチンを接種していることが義務づけられることが多いです。 |
|---|
| 費用:1回 14.300円(税込) |
海外渡航のワクチンというと、感染症流行地域への旅行をイメージされる方が多いかもしれません。しかし、百日咳・ジフテリア・破傷風を予防する3種混合ワクチンは、旅行そのものよりも、留学・海外転勤・海外での出産や新生児との面会などで必要になることがあります。
日本で小児期に接種している3種混合ワクチンは主にDTaPですが、海外では10歳以上の学童・学生・成人に対して、成人用の3種混合ワクチンであるTdapの接種歴を求められることがあります。特にアメリカでは、7歳以上ではDTaPではなくTdapが使用されるため、留学や現地校への入学時にTdapの接種証明を求められることがあります。
また海外では、妊娠中にTdapを接種して、生まれてくる赤ちゃんを百日咳から守る考え方が一般的です。百日咳は生後間もない赤ちゃんが感染すると重症化しやすいため、妊婦さん本人だけでなく、赤ちゃんの周囲にいる家族にも接種が勧められることがあります。
そのため、海外で出産されるご家族に会いに行く場合や、海外で生まれたお孫さんに会いに行く祖父母の方も、10年以内にTdapを接種していることを確認されることがあります。
留学、海外赴任、海外での出産、新生児との面会を予定されている方は、渡航先の学校・勤務先・医療機関から求められるワクチン書類を確認し、必要に応じてTdapの接種をご検討ください。
ワクチンの種類
Verorab
| 輸入ワクチン |
|---|
| 当院では主に暴露前接種に使用しております。 |
| 暴露前接種スケジュール:初回接種後1週間後に2回目、初回接種から3〜4週間後に3回目 |
| その後の追加接種に関しては、現在明確な指針はなく、危険性が高い場合は3年毎などに接種を行う場合もあります。 |
| 接種費用:16,500円(税込) |
ラビピュール
| 国内承認ワクチン |
|---|
| 入荷数が限られるため、当院では主に暴露後接種(保険診療)で使用しております。 |
| 暴露後接種スケジュール:それぞれの国や医療機関によって接種スケジュールが異なっています。 海外で噛まれた時にはその日のうちにできるだけ早く病院を受診してください。 そこで狂犬病の暴露前接種や、破傷風トキソイドの暴露前接種が無ければ破傷風トキソイドと狂犬病ワクチンの接種が開始となります。 狂犬病免疫グロブリンを使用することも推奨されますが、多くの国では入手が困難なため、狂犬病ワクチンを規定回数接種していくこととなります。 |
| 帰国後のスケジュールは相談しながらとなりますので、まずはお電話にてご相談をお願いします。 |
|
| 接種費用:暴露後接種の場合は保険診療となります。 |
世界では今も毎年約6万人以上が亡くなっています
狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染した動物に咬まれたり、引っかかれたりすることで感染する病気です。
発症するとほぼ100%死亡する非常に危険な感染症ですが、暴露前ワクチン(渡航前接種)や、咬まれた直後に適切な治療(暴露後予防)を行うことで予防できます。
世界では今も身近な感染症です
- 世界150以上の国・地域で発生
- 毎年約59,000~70,000人が死亡
- 死亡者の約95%はアジア・アフリカで発生
- 約40%は15歳未満の子ども
- 人の狂犬病の約99%は犬から感染しています。
WHO;Rabies,Presence of dog-transmitted human rabies:2021, https://apps.who.int/neglected_diseases/ntddata/rabies/rabies.htmlより作成
「咬まれてから打てば大丈夫」ではありません
狂犬病ワクチンを接種していない場合、咬まれた後は
- 傷口を十分に洗浄
- 狂犬病ワクチン
- 狂犬病免疫グロブリン(RIG)
が必要になります。
しかし、多くの発展途上国では狂犬病免疫グロブリンが不足しており、必要な治療を受けられないことも少なくありません。そのため、WHOなどは医療へのアクセスが悪い地域へ渡航する場合は、渡航前のワクチン接種を推奨しています。
このような方に接種をおすすめします
| ✔ 海外留学・交換留学予定の方 |
|---|
| ✔ 学生寮・寄宿舎で生活する予定の方 |
| ✔ 海外大学・高校へ進学予定の方 |
| ✔ サウジアラビア(メッカ巡礼)へ渡航する方 ※MenACWY接種証明書が入国条件です。 |
| ✔ アフリカの「髄膜炎ベルト」へ渡航する方 |
ワクチン
メンクアッドフィ(MenQuadfi)
| 特徴:4価髄膜炎菌ワクチン(A,C,Y,W)、国内承認ワクチン |
|---|
| 接種回数:1回(危険性が高い場合は5年毎に接種) |
| 接種年齢:2歳以上 |
| 接種費用:1回 23,100円(税込) |
Bexsero
| 特徴:B群髄膜炎菌ワクチン、輸入ワクチン | |
|---|---|
| 接種回数: | 留学時などは1ヶ月以上あけて2回、 0歳時で接種する場合は生後6週以降で1回目、初回から8週間後に2回目、2回目から8週間以上あけて1歳で3回目、 1回目が1歳の場合は8週間あけて2回目 |
| 接種年齢:生後6週以降 | |
| 接種費用:1回 33,000円(税込) |
髄膜炎菌感染症とは
髄膜炎菌は、**髄膜炎や敗血症(菌血症)**を引き起こす細菌です。
発症すると、高熱や頭痛などの症状からわずか数時間~1日程度で急激に悪化し、適切な治療を受けても命にかかわることがあります。また、助かっても四肢切断、難聴、神経障害などの重い後遺症が残ることがあります。
髄膜炎菌は、咳やくしゃみ、唾液などの飛沫や濃厚接触によって人から人へ感染します。
留学で感染リスクが高くなる理由
髄膜炎菌は普段は健康な人の鼻やのどにも存在していることがあります。
そのため、
- 寮生活
- 学生寮での共同生活
- 部活動やクラブ活動
- パーティーなど大人数での交流
- キスや飲み物の回し飲み
など、人との距離が近い生活環境では感染が広がりやすくなります。
大学入学直後の学生寮(Dormitory・Halls of Residence)では感染リスクが数倍高くなることが知られており、海外では毎年のように大学で集団発生が報告されています。
欧州ではB群ワクチンが標準になりつつあり、近年は日本も同じ傾向にあります
髄膜炎菌にはいくつかの型があり、主に
- A群
- C群
- W群
- Y群
- B群
が問題となります。
日本で留学時に接種されることが多いのは4価髄膜炎菌ワクチン(MenACWY)ですが、欧州ではB群髄膜炎菌(MenB)が侵襲性髄膜炎菌感染症の主な原因となっており、近年は日本でもB群が多くなってきております。
そのため、
- イギリスでは2015年から乳児へのB群髄膜炎菌ワクチンが定期接種となっています。
- フランスやオーストラリアなどでも乳幼児へのB群髄膜炎菌ワクチンが定期接種として導入されています。
- 欧州の多くの国では、乳幼児期からMenBワクチンを接種する流れが広がっています。
留学ではMenACWYだけでは十分でないことも
留学時などでは、大学入学時にMenACWYの接種証明を求められることがあります。 アメリカでは一部の州で4価髄膜炎菌ワクチンの他にB群の接種も義務づけられており、さらに、イギリスやフランスなどではB群髄膜炎菌による集団発生が報告されていることから、大学や寮によってはMenBワクチンの接種が推奨される場合があります。
ワクチン
| 使用するワクチン:タイコバック(16歳以上は成人用、1~15歳は小児用) |
|---|
| 接種料金:1回 15,400円(税込) |
接種スケジュール
| 初回 |
|---|
| 初回接種後1~3か月:2回目 |
| 2回目接種後5~12か月後:3回目 |
その後
| 初回追加接種:3年後、その後は60歳未満は5年毎に追加接種、60歳以上は3年毎に追加接種 |
|---|
急速接種(出発まで時間がない方)
| 初回 |
|---|
| 初回接種後2週間:2回目 |
| 2回目接種後5~12か月:3回目 |
その後は通常スケジュールと同様です。
ダニ媒介性脳炎(TBE)とは?
ダニ媒介性脳炎(Tick-Borne Encephalitis:TBE)は、ダニ媒介性脳炎ウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染するウイルス感染症です。
感染しても症状が出ないこともありますが、発熱や頭痛などの症状に続いて、脳炎や髄膜炎を発症すると、重い後遺症が残ったり、命にかかわることもあります。
世界では現在でも毎年数千人の患者が報告されており、ヨーロッパからロシア、中国北部にかけて広く流行しています。
ヨーロッパ旅行でも感染することがあります
「ダニ媒介性脳炎」と聞くとロシアなど特殊な地域の病気と思われがちですが、実際にはヨーロッパの人気観光地でも感染リスクがあります。
特に
- オーストリア
- ドイツ南部(バイエルン州・バーデン=ヴュルテンベルク州)
- スイス
- チェコ
- スロベニア
- クロアチア
- スロバキア
- バルト三国
- 北欧(スウェーデン・フィンランドの一部)
- ポーランド
などでは毎年患者が報告されています。
さらに
- ロシア
- 中国北部
- モンゴル
では感染リスクが高く、特にロシアなどでは致死率の高い極東型ウイルスも流行しています。
どのような旅行で感染するの?
感染リスクが高いのは、森林や草地でマダニに咬まれる機会がある旅行です。
例えば
- ハイキング
- 登山
- キャンプ
- サイクリング
- トレッキング
- 湖畔や森林での散策
- バードウォッチング
- 狩猟・釣り
- 長期滞在
- 留学
- 現地での屋外活動
などでは感染リスクが高くなります。
一方で、都市部だけを短期間観光する旅行ではリスクは比較的低いとされています。
留学やアウトドアでの活動を予定している方、長期滞在の方は接種をおすすめします
ダニ媒介性脳炎は、短期間の観光旅行では必ずしも全員がワクチンを必要とするわけではありません。
しかし、
- 数週間~数か月以上滞在する方
- 留学される方
- ワーキングホリデー
- 海外赴任
- 現地でアウトドア活動を予定している方
では、現地の医療機関や海外の渡航医学ガイドラインでもワクチン接種が推奨されることがあります。
特に夏から秋(4~11月頃)はマダニの活動が活発になるため注意が必要です。
マダニに咬まれないことも重要です
ワクチンだけでは100%感染を防ぐことはできません。
旅行中は
- 長袖・長ズボンを着用する
- 肌の露出を避ける
- ズボンの裾を靴下に入れる
- 虫よけ剤を使用する
- 草むらに直接座らない
- 帰宅後は全身にマダニが付いていないか確認する
などの対策も重要です。
ワクチンで予防できます
ダニ媒介性脳炎は、ワクチンで高い予防効果が期待できる感染症です。
オーストリアでは国を挙げてワクチン接種が進められ、高い接種率を維持しており、患者数は大幅に減少しました。
当院では、
- ヨーロッパ旅行
- 北欧旅行
- ロシアへの渡航
- 長期留学
- 海外赴任
- アウトドア旅行
を予定されている方への接種を行っています。
ワクチン
ジェービック・エンセバック
| 特徴:国内承認ワクチン |
|---|
| 接種年齢:生後6ヶ月以上 |
| 接種回数:成人で未接種の場合は初回接種後1〜4週間で2回目、2回目から6ヶ月以上あけて(通常1年後頃)追加接種。 子どもの頃に定期接種を全て完了している場合は、10年以内に接種がなければ追加接種 |
| 接種費用:7,700円(税込) |
海外赴任・長期滞在される方へ(重要)
東南アジアでは、日本とは異なる**生ワクチン(Imojev®など)**が使用されている国が多くあります。
日本で使用している不活化ワクチン(ジェービックやエンセバック)とは互換性がありません。
そのため、
日本で接種を開始した方は、現地で生ワクチンへ切り替えることは推奨されません。
海外赴任や長期滞在で3回目の接種時期を迎える場合には、
一時帰国時に日本で同じ不活化ワクチンを接種し、接種シリーズを完了することをおすすめします。
日本やアジア諸国では今も重要な感染症です
日本脳炎は蚊(コガタアカイエカなど)が媒介するウイルス感染症です。
日本ではワクチンの普及により患者数は年間10人以下まで減少していますが、世界では毎年約6~7万人が発症していると推定されており、その多くがアジア地域で発生しています。
近年はオーストラリア北部でも患者の発生が続いています。
発症すると有効な治療法はなく、
約20~30%が死亡し、生存者の30~50%に麻痺や知的障害などの重い後遺症が残ることがあります。
このような地域へ行く方は接種をおすすめします
※北海道では発生はありません。
※オーストラリアはこの数年、日本脳炎の発生地域が拡大しており、2025年までに51人の発症、そのうち8人が亡くなっています。
| 旅行期間が1か月以上になる方 海外赴任・留学・長期滞在の方 農村部・郊外・キャンプ・屋外活動が多い方 は特に接種が推奨されます。 |
|---|
短期間の旅行でも、
| 農村部へ行く |
|---|
| 夜間屋外で活動する |
| 雨季に滞在する |
場合には接種を検討します。
北海道出身の成人は未接種の方が多くいます
日本では1976年から定期接種となっていますが、
北海道で定期接種が開始されたのは2016年です。
そのため、
現在の北海道出身の成人の多くは日本脳炎ワクチンを接種していません。
海外渡航を予定されている方は、渡航前に接種歴をご確認ください。
ポリオとは
ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスによって起こる感染症で、「小児まひ」と呼ばれることもあります。
主に感染者の便に含まれるウイルスが、手指、水、食べ物などを介して口から入ることで感染します。感染しても90~95%は症状がありませんが、風邪のような症状や無菌性髄膜炎を起こすことがあり、まれに手足や呼吸に使う筋肉の麻痺が残ります。麻痺型ポリオは成人のほうが重症化しやすく、特別な治療薬はないため、ワクチンによる予防が重要です。
世界の発生状況
世界的なワクチン接種の普及により、野生型ポリオウイルスによる患者数は大きく減少しました。しかし、ポリオはまだ完全には根絶されていません。
野生型ポリオウイルス1型は、現在も主にアフガニスタンとパキスタンで伝播が続いています。また、ワクチン接種率が低い地域では、経口生ポリオワクチン由来のウイルスが長期間伝播することで起こる「伝播型ワクチン由来ポリオウイルス(cVDPV)」の流行も、アフリカ、中東、アジアなどの複数の国で報告されています。WHOは2026年3月時点でも、ポリオウイルスの国際的な拡大リスクを「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」としています。
さらに近年は、患者の発生だけでなく、ヨーロッパを含む複数の国の下水からポリオウイルスが検出されています。WHOは2025年、ドイツの下水からアフガニスタン由来と考えられる野生型ポリオウイルス1型が検出されたことを報告しており、ポリオが世界から根絶されるまでは、どの国にもウイルスが持ち込まれる可能性があります。
海外渡航で感染リスクが高くなる方
ポリオウイルスが発生・検出されている国への渡航では、一般的な観光旅行であっても、ワクチン接種歴の確認が必要です。
特に、次のような方は感染リスクを考慮する必要があります。
| ポリオウイルスが発生・検出されている国へ渡航する方 |
|---|
| 衛生状態が十分でない地域に滞在する方 |
| 現地の家庭、学校、保育施設、医療機関などを訪れる方 |
| 難民支援、国際協力、医療活動などに従事する方 |
| 長期間滞在する方 |
| 予防接種歴が不明、または接種が完了していない方 |
CDCは、海外渡航前には全員がポリオワクチンを規定回数受けていることを確認し、ポリオウイルスが循環している地域へ渡航する成人には、過去に基礎接種を完了していても、生涯に1回の追加接種を検討するよう勧めています。
発生国・検出国は随時変わるため、渡航先が決まりましたら最新のWHO・CDC情報を確認する必要があります。
1975~1977年生まれの方はご注意ください
日本では、1975年(昭和50年)から1977年(昭和52年)生まれの方は、他の年代と比べてポリオウイルス1型に対する抗体を持つ割合が低いことが、過去の感染症流行予測調査で確認されています。これは、ワクチンを接種していても、十分な免疫がついていない方がいる可能性を示すものです。
厚生労働省の海外渡航者向け情報でも、この年代の方はポリオに対する免疫が低い可能性があるため、発生国へ渡航する際には追加接種を検討するよう案内されています。
したがって、1975~1977年生まれで、ポリオ発生国・検出国へ渡航する方には、過去の接種歴にかかわらず、渡航前の追加接種を特におすすめします。
海外渡航前の接種
過去の接種を完了している成人 |
小児期に必要なポリオワクチンを完了している方が、ポリオウイルスの発生・検出地域へ渡航する場合は、不活化ポリオワクチンを1回追加します。 成人期の追加接種は、原則として生涯に1回です。 |
|---|---|
接種歴がない、または不明の成人 |
成人の基本的な接種は3回です。 1回目:初回 2回目:1~2か月後 3回目:2回目から6~12か月後 渡航まで時間がない場合は、接種間隔を短縮したスケジュールを検討します。過去に1回または2回のみ接種している場合は、最初からやり直す必要はなく、不足している回数を追加します。 |
接種費用
| 不活化ポリオワクチン(イモバックスポリオ):9,900円(税込) |
|---|
アフリカ・中南米へ渡航する方は接種が必要になることがあります
サハラ以南のアフリカや中南米で現在も流行しており、重症化すると黄疸、出血、肝不全などを起こし、死亡することもある危険な病気です。
また、一部の国では入国時に黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示が義務付けられています。
https://www.cdc.gov/yellow-fever/africa/index.html
https://www.cdc.gov/yellow-fever/south-america/index.html を参考に作成
■ アフリカ地域
- アンゴラ
- ウガンダ
- エチオピア
- カメルーン
- ガーナ
- ガボン
- ガンビア
- ギニア
- ギニアビサウ
- ケニア
- コンゴ共和国
- コンゴ民主共和国
- コートジボワール
- シエラレオネ
- スーダン
- セネガル
- 赤道ギニア
- 中央アフリカ共和国
- チャド
- トーゴ
- ナイジェリア
- ニジェール
- ブルキナファソ
- ブルンジ
- ベナン
- マリ
- 南スーダン
- リベリア
- モーリタニア
■ 南アメリカ地域
- アルゼンチン
- エクアドル
- ガイアナ
- コロンビア
- スリナム
- パナマ
- フランス領ギアナ
- ブラジル
- ペルー
- ベネズエラ
- ボリビア
- トリニダード・トバゴ(トリニダード島)
- パラグアイ
黄熱ワクチンについて
- 生ワクチンです。
- 1回の接種で生涯有効です(WHOおよび国際保健規則(IHR)の改正により、原則として追加接種は不要となっています)。
- 接種後約10日で有効となるため、渡航まで余裕をもって接種しましょう。
接種できる年齢
生後9か月以上から接種できます。
特に次の方では接種の可否を慎重に判断します。
- 生後6~8か月の乳児(原則接種しませんが、流行地域への渡航で感染リスクが非常に高い場合に限り検討されます。)
- 60歳以上の方(重い副反応の頻度がやや高くなるため、渡航リスクと接種による利益を十分に検討します。)
- 妊娠中の方
- 授乳中の方
- 免疫不全のある方
- 胸腺疾患の既往がある方
このような場合は、渡航先や滞在期間を考慮して医師と相談することが重要です。
北海道で黄熱ワクチンを接種できる医療機関
当院では黄熱ワクチンの接種は行っておりません。
北海道では、厚生労働省指定の黄熱予防接種実施機関でのみ接種できます。
千歳空港検疫所支所
- 電話による完全予約制
- 毎月第4火曜日に実施(祝日の場合は翌日)
札幌医科大学附属病院 渡航・ワクチン外来
- インターネットによる完全予約制
- 毎月第2木曜日に実施
※いずれも事前予約が必要です。渡航が決まりましたら、できるだけ早めにご予約ください。
当院でご案内できること
当院では黄熱ワクチンの接種は行っておりませんが、
- 黄熱ワクチンが本当に必要かどうかのご相談
- イエローカードが必要となる国の確認
- 黄熱ワクチン以外のトラベルワクチン(A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、日本脳炎、腸チフス、髄膜炎菌ワクチンなど)の接種
を行っております。
マラリア原虫を持ったハマダラカ(蚊)に刺されることで発症します。
このハマダラカは日暮れ前から夜明け(夜間)に活動するため、流行地域では特に夜間の防虫に気をつける必要があります。
三日熱マラリア(Vivax Malaria)
| 特徴:約48時間(3日)おきに発熱があります。 |
|---|
| 流行地域:アジア、中南米、中東、オセアニアの一部に多く、アフリカ以外の地域では一番多いのがこの三日熱マラリアです。 |
| 潜伏期間:通常2週間前後ですが、数ヶ月経過してから再発することもあります。 |
| 重症化:比較的まれです。 |
四日熱マラリア(Malariae Malaria)
| 特徴:約72時間おきに発熱があります。 |
|---|
| 流行地域:サハラ以南のアフリカ、東南アジア、南米ですが、世界のマラリアの1〜2%程度です。 |
| 潜伏期間:通常30日程度(18日〜40日)です。 |
| 重症化:比較的まれです。 |
熱帯熱マラリア(Falcipalum Malaria)
| 特徴:最も危険なマラリアです。 世界のマラリアによる死亡の大多数を占めています。未治療の場合は致死率が20〜30%となります。 |
|---|
| 流行地域:サハラ以南のアフリカが中心です。 一部南アジア、東南アジアも含まれます。 WHOではアフリカのマラリアはほとんどが熱帯熱マラリアとなっています。 |
| 潜伏期間:12日程度(7〜14日)です。 |
| 重症化:マラリアの死亡の多くはこの熱帯熱マラリアによるものです。 |
予防内服
マラロン(アトバコン・プログアニル)
| 内服期間:流行地域に入る2日前から内服を開始し、流行地域を出てから1週間後まで内服 |
|---|
| 内服頻度:1日1回 |
| 注意点:妊婦や体重5kg以下の乳児へ授乳中の場合は避ける必要があります。 小児は体重5kg以上で使用可能です。 |
| 費用: |
メファキン(メフロキン)
| 内服期間:流行地域に入る1〜2週間前から内服を開始し、流行地域を出てから4週間後まで内服 |
|---|
| 内服頻度:1週間に1回 |
| 注意点:WHOやアメリカのCDCは妊婦はマラロンではなくメファキンの使用を推奨しています。 精神疾患がある場合や、特定の薬を内服している場合は禁忌、まれに重篤な精神症状、痙攣が現れることがあるため注意が必要です。 平衡感覚に異常を認める場合があるため、ダイビングや高所での作業を行う場合は避ける必要があります。 腸チフスワクチン、狂犬病ワクチンの効果が弱くなる可能性があるため、内服を開始する3日前にはワクチン接種を終えている必要があります。 |
ビブラマイシン(ドキシサイクリン)
| 内服期間:流行地域に入る1〜2日前から内服を開始し、流行地域を出てから4週間後まで内服 |
|---|
| 内服頻度:1日1回 |
| 日本ではマラリア予防に対しての適応承認が通っていないため通常は処方されません。 |
| 海外では安価なため(タイ等では処方箋無しでドラッグストアでジェネリックだと30日分で400〜1,300円程度、先発品でも3,900円程度で購入できることがある)、長期間で内服が必要な場合は最初の分を日本でマラロンで処方し、その後現地でビブラマイシンを使用する方がいます。 ただ、偽物も多く出回っているため注意が必要な点や、他の薬剤、サプリメントとの併用に注意が必要な物も多く、飲み方、光線過敏症などにも注意が必要となるため当院では推奨しておりません。 |
高山病とは
標高2,500m以上の高地では、空気中の酸素が少なくなるため、身体が十分に順応できず「高山病」を発症することがあります。
富士山などの登山だけでなく、クスコ・マチュピチュ、ラパス、ラサ、キリマンジャロなど、飛行機や車で短時間に高地へ移動する旅行でも注意が必要です。
高山病のなりやすさには個人差があり、年齢や体力、運動習慣だけでは予測できません。以前は大丈夫だった人でも、その日の体調や登る速さによって発症することがあります。
高山病の主な症状
急性高山病では、一般的に高地へ到着して数時間後から、次のような症状が現れます。
- 頭痛
- 吐き気・嘔吐
- 食欲低下
- めまい
- 強いだるさ
- 眠りにくい、何度も目が覚める
症状があるときは、それ以上高い場所へ移動してはいけません。同じ高度で休んでも改善しない場合や、症状が悪化する場合は、速やかに低い場所へ移動してください。
特に注意が必要な症状
次のような症状は、重症の高地脳浮腫や高地肺水腫の可能性があります。
- まっすぐ歩けない
- 意識がもうろうとする
- 会話や行動がおかしい
- 安静にしていても息苦しい
- 咳が強くなる
- 胸が苦しい
- 急に動けなくなる
このような場合は、薬の効果を待たず、直ちに下山・低地への移動と医療機関への受診が必要です。酸素を使用できる環境では、酸素投与も行います。
ダイアモックスを服用していても、重症の高山病を完全に防げるわけではありません。
高山病を予防するために
最も大切な予防方法は、身体を高地にゆっくり順応させることです。
- できるだけ時間をかけて高度を上げる
- 到着直後の激しい運動を避ける
- 飲酒を控える
- 睡眠薬や鎮静作用のある薬を自己判断で使用しない
- 体調不良のまま登らない
- 症状があるときは、それ以上高度を上げない
日程上、急速に高地へ移動しなければならない場合や、過去に高山病を経験している場合には、予防薬の使用を検討します。
ダイアモックスの処方
ダイアモックス(一般名:アセタゾラミド)は、身体の高地順応を促し、急性高山病の発症を予防・軽減するために使用される薬です。
呼吸を促すことによって、高地で身体に取り込まれる酸素を増やし、順応を助けます。単なる副作用の利尿作用として高山病に効くわけではありません。
通常、成人の予防では、医師の指示により以下のように服用します。
- 1回125mgを1日2回(1回250mgの錠剤を半錠で内服してもらいます)
- 高地へ移動する前日から開始
- 高度を上げている間と、最高到達地点に着いてから原則2日程度継続
- 費用:高山病予防の場合は自費診療となります。
旅行日程、標高、体格、持病などによって服用方法が異なることがあります。必ず処方時の指示に従ってください。
主な副作用
比較的よくみられる副作用には、次のようなものがあります。
- 手足や口の周囲のピリピリとしたしびれ(薬が効いている証拠と判断することもあります)
- 尿が近くなる
- 炭酸飲料などの味が変わる
- 軽い吐き気やだるさ
多くは軽度で一時的ですが、発疹、呼吸困難、顔や喉の腫れなどが現れた場合は服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。
処方前に必ずお知らせください
次に該当する方は、ダイアモックスを使用できない場合や、慎重な判断が必要な場合があります。
- ダイアモックスを含む薬剤で重いアレルギーを起こしたことがある方
- 重い薬疹やアナフィラキシーの経験がある方
- 腎臓や肝臓の病気がある方
- 電解質異常や代謝性アシドーシスを指摘されている方
- 妊娠中・授乳中の方
- 糖尿病などの持病がある方
- 複数の薬を服用している方
- 小児
「サルファ剤」と呼ばれる抗菌薬にアレルギーがある方は注意と言われることがありますが、抗菌薬のST合剤(バクタ等)とダイアモックスは構造が異なっており、交差アレルギーは認められていないため、一律で処方ができない訳ではありません。
ツベルクリン反応検査
- 前腕部に少量の皮内注射を行い、48〜72時間後に陽性か陰性かの判定を行います。
- 欧米では発赤のサイズは関係無く、真ん中の硬結のサイズで陽性かどうかの判定を行います。
- アメリカでは近年2回検査法(1回目から1〜3週間後に2回目のツベルクリン反応検査を行う)が行われています。
ツベルクリン反応検査時の注意点
- 生ワクチン(麻しん風しん混合ワクチンやおたふくかぜワクチンなど)を接種する場合は、ツベルクリン反応検査と同じ時に接種は可能ですが、事前に生ワクチンを接種している場合は1ヶ月以上あけてからツベルクリン反応検査となります。
- 以前結核にかかったことがある人や、乳児期にBCGを接種している人は、2回検査法の2回目の時にブースター現象(1回目の検査液で免疫が刺激されて2回目が強くなる)が現れる可能性があります。
検査費用
8,800円(税込)
※2回検査法の場合は2回分必要となります。
クォンティフェロン検査
採血を行い、数日で検査結果が出ます。
特殊な採血管を使用するため、早めのご予約が必要となります。
ツベルクリン反応検査とは異なり、BCGの接種歴があっても陽性となることはありません。
検査費用
8,800円
留学前・海外渡航前健康診断
海外留学、海外赴任、就職、長期滞在では、学校や勤務先から健康診断書の提出を求められることがあります。
当院では、日本語・英語の健康診断書の作成に対応しており、提出先の指定書式への記入も行っています。
主な健診内容
一般的な留学・渡航前健診では、以下のような項目が求められます。
| 身長・体重測定 |
|---|
| 血圧測定 |
| 視力検査 |
| 聴力検査 |
| 既往歴の確認 |
| アレルギーの有無 |
| 現在治療中の病気や服用中のお薬の確認 |
| 医師による診察 |
提出先によっては、さらに次の検査が必要となる場合があります。
- 尿検査
- 血液検査(貧血等のチェック)
アメリカでは、幼稚園や小学校へ入学する際に鉛(Lead)検査が必要となる州や学校もあります。
受診前にご確認ください
健診内容は、学校・留学先・勤務先によって異なります。
必ず提出書類(健康診断書・Medical Formなど)を事前にメールに添付して提出をお願いいたします。
また、次の場合は事前に専門医療機関で検査を受けていただくことをお願いしています。
聴力検査
事前に耳鼻咽喉科を受診してください。
視力検査
視力は**裸眼視力・矯正視力(眼鏡・コンタクト装用時)**の両方が求められることが多いため、事前に眼科で測定をお願いいたします。
なお、アメリカなどでは視力の記載方法が日本と異なりますが、当院で海外提出用の書式に合わせて記載いたします。
費用
| 健康診断(血液検査なし):6,600円 |
|---|
| 健康診断(血液検査等の検査あり):11,000円 |
| 英文書類作成費用:7,700円 |
英文書類作成
当院では各種英文書類の作成に対応しています。
予防接種の接種証明書は留学先などから指定されているフォームへの入力や、指定されたフォームが無い場合は当院オリジナルの形式で英文の接種証明書を作成いたします。
- 通常は最終受診の翌日以降でのお渡しとなります。
- 遠方から来られているような場合や、当院まで取りに来られるのが難しいような場合はレターパックでの郵送も行っております。
- 書類作成費用:7,700円
- レターパック代:青 430円 赤 600円
Meningococcal Vaccination Requirement for Hajj
The Saudi Arabian Ministry of Health requires all individuals travelling to Saudi Arabia to perform Hajj to receive a meningococcal vaccine that protects against serogroups A, C, W and Y.
A quadrivalent meningococcal conjugate vaccine, such as MenQuadfi®, must have been administered:
- at least 10 days before arrival in Saudi Arabia; and
- within the previous 5 years.
Please keep your official vaccination certificate with you when travelling. The certificate should clearly state the name and type of the vaccine and the date on which it was administered.
If the vaccine type is not specified on the certificate, the certificate may be considered valid for only 3 years.
If you would like to receive the quadrivalent meningococcal vaccine at our clinic, please call us in advance to make an appointment.
Vaccination requirements may change. Please check the latest information issued by the Saudi Arabian Ministry of Health before travelling.
متطلبات التطعيم ضد المكورات السحائية للحج
تشترط وزارة الصحة في المملكة العربية السعودية على جميع القادمين لأداء فريضة الحج الحصول على لقاح ضد المكورات السحائية يغطي الأنماط المصلية A وC وW وY.
يجب أن يكون اللقاح الرباعي المقترن ضد المكورات السحائية، مثل لقاح MenQuadfi®، قد أُعطي:
- قبل الوصول إلى المملكة العربية السعودية بعشرة أيام على الأقل؛ و
- خلال السنوات الخمس السابقة للوصول.
يرجى حمل شهادة التطعيم الرسمية معكم أثناء السفر. ويجب أن تتضمن الشهادة بوضوح اسم اللقاح ونوعه وتاريخ إعطائه.
إذا لم يكن نوع اللقاح مذكورًا في الشهادة، فقد تُعتبر الشهادة صالحة لمدة ثلاث سنوات فقط.
إذا كنتم ترغبون في تلقي اللقاح الرباعي ضد المكورات السحائية في عيادتنا، فيرجى الاتصال بالعيادة مسبقًا لحجز موعد.
قد تتغير متطلبات التطعيم، لذا يرجى التحقق من أحدث المعلومات الصادرة عن وزارة الصحة في المملكة العربية السعودية قبل السفر.
診療時間
学会、講義などにより休診とさせていただく場合がありますので、診療カレンダー・お電話にてご確認いただくことをお勧めします。(日祝、月曜は休診となります)
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 09:00〜10:00 | - | - | - | - | - | ● | - |
| 10:00〜13:00 | - | - | ● | ● | ● | ● | - |
| 14:00〜17:00 | - | ● | ● | ● | ● | - | - |
| 17:00〜19:00 | - | ● | - | - | - | - | - |
※休診情報はこちらから
ワクチン一覧表.pdf